初日1日の宵宮では、8台のだんじりを先導する形で辰巳太鼓が一番に宮入する。
辰巳太鼓は、白装束に赤い烏帽子頭巾の役打(太鼓の叩き手)4人を乗せた、だんじり型の地車である。宮入をして拝殿でお祓いを受けた後、役打が烏帽子を脱ぎ捨てると、太鼓屋台は暴れ太鼓に変身する。担ぎ手が太鼓台を前後に大きく傾けた後、右へ左へ繰り返し横転させ、地面に叩き付ける。
太鼓台の役打4人とふたりの介添え役はもちろん、担ぎ手たちも大ケガをしかねない。かなり危険でスリリングな祭事である。
神輿を壊してしまう暴れ神輿とか神輿まくりとかの祭事を行う例があるが、尼崎だんじり祭では太鼓台が暴れ太鼓になる。
暴れ太鼓の神事に引き続き、8台のだんじりが宮入。貴布禰神社のだんじりは、綱で引っ張る岸和田型とは異なり、神輿のように縦横に組み合わせた棒で担ぐスタイルである。
宮入では、担ぎ棒を斜めにして先を数mの高さに掲げ、だんじり後部を起点にしてグルリと回転させる祭事が行われる。
宮入では、担ぎ棒を斜めにして先を数mの高さに掲げ、だんじり後部を起点にしてグルリと回転させる祭事が行われる。
2日目、本宮の見どころはだんじり同士の山合わせ。向き合った2基のだんじりが担ぎ棒を前部を斜めに大きく上げて、相手のだんじりの担ぎ棒の上に乗せることを競い合う祭事である。2基の対戦が16回行われ、それぞれのだんじり応援団の声援が熱い。
■貴布禰太鼓地車保存会
阪神尼崎駅から貴布禰神社へ向かう道筋にある長いアーケードの商店街(神田中通り・三和本通り)のにぎわいも印象深い。
シャッター通りと揶揄されるように、さびれてしまった商店街は数多いが、道筋の商店街では閉店しているお店がほとんど見当たらない。
シャッター通りと揶揄されるように、さびれてしまった商店街は数多いが、道筋の商店街では閉店しているお店がほとんど見当たらない。
尼崎は工業都市のイメージが強いが、江戸時代は阪神間で唯一の城下町であった。城下町の歴史的遺産・寺町の閑静な風情も味わい深い。