9月15日、本宮。台風の影響で天気予報は雨であったが、岸和田だんじり祭の宮入りを見学に出かけた。
家を出るときには雨がふっていたが、蛸地蔵駅に着いた頃には雨が止み曇天に変わっていた。
岸城神社の前を通って、岸和田市役所へ向かう。目当ては、もちろん、こなから坂のやり回し。市役所からお城へ向かう坂を、だんじりが猛スピードでやり回しをして駆け上がる光景は何度見ても迫力がある。
宮入りのもうひとつの楽しみは、お堀端をゆっくりと曳行するだんじりの光景。お城を背にして、手前にだんじりのある姿。逆に、お城を手前にしてお堀の彼方にだんじりを望む姿。いずれも、風情豊かで美しい。
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お城を背にしてゆっくりと曳かれるだんじり |
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宮入りを待って停止中のだんじり |
荒々しく粗野なイメージを抱いて敬遠しておられる方には、岸和田城のお堀端をめぐるだんじりの絵になる姿を、ぜひ一度見てほしい。
宮入りしてお祓いを受けるために、3基くらいのだんじりが順番待ちをしてお堀端で停止する。
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子供が大屋根に乗っているだんじり |
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お堀端で待機中のだんじり |
待機中は、小さな子供たちが、時には主役となる。大工方が乗る大屋根に乗せてもらったり、だんじりの中に座りお祭り囃子を演奏したり、楽しい時間を過ごすことができる。小学1〜2年生くらいの子供たちが笛・太鼓・鉦を見事にあやつり、生き生きと祭り囃子を演奏している光景は見ている私たちも幸せな気分にさせてくれる。
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岸城神社にお参りした曳き手の子供たち |
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神官からお祓いを受けるだんじり |
お堀端でだんじりを眺めているうちに、雨が降り出してしまった。雨宿りをかねて、だんじり宮入りの光景を見物に岸城神社へ向かう。だんじりがお祓いを受けたり、町の役員たちが御清めを受けたりする場面も拝観できた。
勇壮なやり回しが脚光を浴びがちであるが、だんじりが岸和田城のお堀端を曳行するありさまもまた、見応えがある。やり回しの躍動感に対して、こちらは和やかな静謐感。城下町ならではの歴史や伝統を感じさせる光景である。古い町家や寺院がが残る紀州街道のまちなみ保全地区を曳行する様子も情緒がある。