岩船寺と浄瑠璃寺。当尾・石仏の道を歩き、三重の塔が美しい京の古寺を巡る。
11月初め、京都府南部の古寺に参拝してきた。奈良時代729年に、聖武天皇が僧・行基に命じて創建された岩船寺。平安時代1047年に創建された浄瑠璃寺。ふたつのお寺、いずれも三重の塔が見どころのひとつである。 岩船寺(重文)は瓦葺き屋根、浄瑠璃寺(国宝)は桧皮葺き屋根の違いはあるが、樹蔭にたたずむ姿はどちらも気品にあふれて美しい。 ■岩船寺 僧・行基ゆかりのお寺である。この僧侶は、国家守護の仏教から民衆救済の仏教へ変革させた「革命家」である。たびたび弾圧を受けたが、聖武天皇に認められ、東大寺・大仏建立の実質的な責任者を命じられた。布教活動だけでなく、水田の灌漑に欠かせない溜め池開削や架橋などの土木工事、布施屋建設など数々の社会事業を成し遂げた人物である。大阪府下最大級の溜め池・久米田池を開削したのもこのお坊さん。岸和田八木地区のだんじり祭では、久米田寺へ行基参りを行い、現在も遺徳に感謝している。 *行基 http://ja.wikipedia.org/wiki/行基 お寺の規模はあまり大きくないが、往時は広大な規模のお寺であったようである。ひなびた風情の山門をくぐると、正面奥に三重の塔が見える。本堂で行基作と伝承される阿弥陀如来座像にお参りした後、三重の塔へ向かう。コウロギであろうか虫の鳴き声を聞きながら塔の周辺を巡る。鳥のサエズリも聞こえる。のどかな風情のあるお寺である。紅葉は、まだ染め始め。樹々はまだ緑が多かったが、赤い柱と梁・白壁が背景の緑に映えて鮮やかである。 三重塔(遠景) 三重塔(近景) ■当尾の里・石仏の道 岩船寺から浄瑠璃寺へは、当尾の里・石仏の道をたどった。約1.5km、ゆるやかな坂道を下る30分程度のハイキングコースである。 当尾(とおの)地区は寺院や修行場が散在し、多くの磨崖仏が造立されたエリアである。石仏は行き交う人々の道しるべでもあった。 木蔭や田畑の間を抜ける道を、ミロクの辻・弥勒仏、わらい仏、眠り仏、カラスの壷二尊石仏などを眺めながら歩く。 露店の狐茄子 カラスの壷 阿弥陀仏 カラスの壷近くの露店(無人販売)で、生け花の素材としても使われるフォックスフェイス(狐茄子)を飾っていた。お代はワンコイン100円なり。手荷物としてはかさばるが、珍しいので買ってしま...