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2015年1月9日金曜日

花園ラグビー場・第94回全国高校ラグビー、印象に残った好試合

前年度は決勝戦のみ観戦したが、今年度は地元大阪の代表校3校が出場する12月31日の2回戦から決勝戦まで観戦した。
ラグビーに関してはルールや用語もあまり知らない素人である。専門的な知識はないので、観客として動画や写真をとる視点からみて印象に残った好試合を上げておきたい。

1)準々決勝:大阪桐蔭vs國學院久我山

前半リードされた大阪桐蔭が、後半に逆転。久我山のフォワードが左サイドに押し込むが堅守を崩せず、桐蔭がリードを保ったまま終わるかと思われた後半タイムアップ寸前。ボールをバックスに出し、左から右へ次々とパスして右隅にトライ。劇的な再逆転トライで久我山が勝利した。
前後半共に、滞りのないスピーディーな試合運び。モールやラックからボールを出して、次々とパスをつなぎバックスが疾走する。
両チーム共に、全国大会で優勝経験のある強豪チーム。前半は比較的ゆったり、後半は急展開。めまぐるしく攻守が入れ替わるゲームとなり、観戦していて楽しい試合であった。
動画を編集する際、面白い部分をつなぎ合わせるよう心がけている。出来るだけ短くコンパクトにまとめているが、この試合はカットする部分が少ない好ゲームであった。

2)準決勝:尾道vs東福岡

尾道は、準々決勝・大阪朝高との対戦タイスコア。抽選で勝ち上がったチームである。
東福岡高校は圧倒的な強さ。優勝候補の対戦として注目された東海大仰星との試合でも開始早々の独走トライで一気に流れを決めた。
その東福岡が唯一苦戦したのが尾道戦である。前半は12対12のタイスコア。前半終了間際には、尾道がトライを決めて勝ち越すかと思われるプレーもあった。
後半は地力の差が出てスコアが開いたが健闘した。
全国高校ラグビーに関する専門家としての講評としては、「横井章の魅力あるラグビー」というブログが参考になる。
東福岡戦については<尾道が、「前へ出る・素晴らしいディフェンス」を魅せた。あれが「小よく大を倒す」やり方では、なかろうか。そして「世界に対するジャパンのオリジナルな戦い方」としても、推奨するものである>と高く評価している。

3)決勝の前座試合:U18合同チーム東西対抗戦

ラグビーは格闘技である。少子高齢化の時代でもあり、部員数が不足するため大会に参戦できない高校も少なくない。そうしたチームの選手で合同チームを組み、花園でラグビーをする機会を提供しようとするプロジェクトである。決勝戦の前に、前座試合として行われる。この試合については、別途ブログをアップ済。

もうひとつの花園、U18合同チーム東西対抗戦を観戦

第94回全国高校ラグビー決勝戦の当日、U18合同チーム東西対抗戦を観戦に出かけた。
もうひとつの花園と愛称される東西対抗戦は、部員数不足のため大会に参加できない選手たちが、合同チームを組んで花園でラグビーをするという夢を叶える試合である。 
決勝は2時キックオフ。その前座試合として12時半から行われる。 
この試合の存在を知らなかったので、昨年はゲーム途中からの観戦になってしまった。
今年は早めにでかけて切符を買い、スタジアムに入る。
ちょうど運良く、記念撮影をする場面にであうことができた。
U18合同チーム東西対抗戦とプリントされた横断幕の前で、選手たちがいい笑顔を浮かべている。横断幕は開催年度などを差し替えできるようになっているのが微笑ましい。 
今年で第7回を迎える、もうひとつの花園U18合同チーム東西対抗戦。無骨なラガーたちの心のやさしさが示されたすばらしい企画だと思う。 
少子高齢化時代、ラグビーをする子供たちが減少しているという背景はあるとはいえ、こうした試合を企画して実現。それを継続させるのは容易ではない。 
この試合の発案者は、前田嘉昭さん。 
前田さんは元・高校教諭、校長。上記wikiの記事をみても一本筋の通った骨のある人物のようである。教育者というのはこういうひとのことだと思う。 
決勝戦・御所実業vs 東福岡の試合はTV放映され、新聞等でも大きく報道されている。 
もうひとつの花園、東西対抗戦はマスコミで大きくとりあげられることもなく、観衆も多くはなかった。 
しかし試合の方は、ハツラツとしたプレーが応酬する好ゲーム。女性主審・川崎桜子さんのキビキビした審判ぶりも印象に残った。ラグビーの強豪・帝京大の学生さんである。 
ゲームの模様を動画でYouTubeにアップ。素人の拙い動画であるが、出場した選手たちや関係者の方々にぜひ見てほしいと願っている。 
東西対抗戦関連のプロジェクトを支援しているのは神戸製鋼KOBELCO。ラグビーの強豪チームであるが、阪神・淡路大震災で大きな被害を受けた企業でもある。震災復興で支援を受けたひとびとへのご恩返し、という気持も込められているのであろう。企業メセナにふさわしい活動である。 

2014年1月19日日曜日

新年のちょっといい話。「もうひとつの花園」全国高校ラグビーU-18東西対抗戦の開催趣旨。

新年1月7日、全国高校ラグビー決勝戦を見学にでかけた。花園ラグビー場で行われた、東海大仰星高校vs桐蔭学園の試合である。

開始早々、東海大仰星高校が相手パスをインターセプトしてトライ。以降も、双方めまぐるしい攻防をくりひろげる激戦を制して、地元大阪の東海大仰星高校が優勝した。
キックはあまり多用せずパス&ランを基本にしたつなぐラグビー。両校共に足の速い選手が多く、パスを次々とつないで駆け抜ける。必死にタックルして阻止し攻守が入れ替わる、スピーディな試合展開。決勝戦にふさわしい好試合を観戦できた。
全国高校ラグビー U-18東西対抗戦
全国高校ラグビー U-18東西対抗戦
本題の新年のちょっといい話は、この決勝戦ではなく、決勝戦の前に行われた東西対抗戦である。
ウチに帰ってネットで調べてみたら、東西対抗戦の意外な開催趣旨を知ることができた。
<「もうひとつの花園」その効果と高校ラグビーを取り巻く現状>と題する斉藤健仁さんのレポートによれば、U-18東西対抗戦は、少人数校の高校生ラガーメンに花園ラグビー場で試合をする機会を与えようという趣旨で開催される。
東西対抗戦の選手は、全国高校ラグビーに出場した高校チームの生徒から選抜されたとばかり思っていたが、勘違いである。
事実は逆で、単独チームとしては花園の全国高校ラグビーに出場機会のなかった高校生から選抜した選手たちであった。
花園ラグビー場は、ラグビーの「聖地」とされる場所。高校野球で言えば、甲子園球場に相当する存在である。
チーム人数が足りず単独チームとしては公式戦に出場できない高校生ラガーにとって、「花園」でプレーできることがどんなにうれしく励みになることか。
One for All, All for Oneというラグビーの基本精神が示された、ちょっとウレシイいい話である。
「もうひとつの花園」U-18東西対抗戦。この試合を企画立案し、実現させたラガーと運営を支えるひとびとに拍手。そして何よりも、花園でプレーできる夢を励みにして黙々と練習に取り組む高校生ラガーたちに、こころからの声援を贈りたい。

■「もうひとつの花園」その効果と高校ラグビーを取り巻く現状(斉藤健仁)
https://www.jsports.co.jp/press/article/N2014010900435203.html
■全国高校ラグビー 東西対抗
http://mainichi.jp/search/index.html?q=全国高校ラグビー%20東西対抗%20&r=reflink