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2014年8月29日金曜日

祭まで2週間、上町だんじりの丹精こめたツツミ巻き作業を見学

岸和田だんじり祭が近い。岸和田市浜手の旧市&春木地区では9月、岸和田山手地区では10月に行われる。
例年は祭の当日のみにでかけていたが、昨年は試験曳きをはじめて見学。
今年は南町・中之濱町のだんじり修理後の披露曳行も見学して、祭当日だけではなく途中の日々もまた味わい深いことに改めて気づいた。

「岸ぶら」の小学生ブロガー・ケロスケくんの「自転車で駆け巡るだんじり小屋」という面白い記事に誘われて、祭を間近にした町の様子を見学にでかけた。
http://kishibura.jp/blog/kero/2014/08/%e3%81%a0%e3%82%93%e3%81%98%e3%82%8a%e5%b0%8f%e5%b1%8b.html/trackback
お目当ては、ケロスケくんが「昭和4年に作られただんじりなので、木の色が濃い」とコメントした上町のだんじり。上町は、岸城神社への宮入り順がくじ不要の2番と決まっている。
このだんじりは、町が景気のいい頃に作られた傑作である。素材のケヤキは一級品。造作や彫刻も出来がいいと定評があるようだ。
30〜40代くらいの年配のベテラン数人を中心に、青年団の数十人の若者たちがだんじりの曳行準備をする様子を運良く見学できた。江弘毅さんの「だんじり若頭日記」によるとツツミ巻きという作業のようだ。
岸和田 上町だんじり

ツツミ巻きは、前梃子を差し込む舵取り部分の重要な綱(だんじりの前面下部にある8の字を横にしたかたちに結ばれた綱)を編み込んで行く作業である。
木槌で打ったり、ひとが上に乗って踏ん張ったり、青年団が綱をぎゅっと引いたりしながら2時間あまり。入念で綿密に緊縛していく様子はさすがである。
作業の途中、大工方の団扇を手にした小学低学年くらいの少年がだんじりに上がり、ひとりでだんじり囃子を奏でる。最初は手のひらで、ついで大太鼓・小太鼓のバチを持ちあざやかに独演。なかなか見事な演奏である。
地車の調整は何か少し課題が残ったようであるが、綱の緊縛を終えた後は囃子方の青年たちがだんじりに上がり祭囃子の練習開始。笛のパートがいなかったのは残念であったが、だんじり囃子を楽しむことができた。
間近にじっくり彫刻を見学できたのもうれしい。
岸和田 上町だんじりの彫刻

地車の調整に数時間かけて取り組むプロセスをみて、華やかな曳行を支える影の苦労の一端にふれた気がする。祭を見学する方は気楽でいいが、曳行する方は大変である。しかし、また、苦労の多い準備作業を和気あいあいと楽しげに行っているあたりが面白い。

2014年8月22日金曜日

歯科の待ち合い室で「さっちゃんのまほうのて」を読んだ。胸を打たれるいい絵本である。

治療にでかけた歯科の待合室で、待ち時間に絵本「さっちゃんのまほうのて」を読んだ。
たばたせいいち、先天性四肢障害児父母の会、のべあきこ、しざわさよこの共同制作。1985年に偕成社から出版されたロングセラー。味わい深い絵本である。
絵本 さっちゃんのまほうのて

表紙の絵と書名タイトルにひかれて、手に取ってしまった。泣いている女の子の表情からは深い悲しみと激しい怒りが感じられる。子供向きの絵本とは思えない異様な緊張感のある絵である。
成人した子供を持つ、いい年のオヤジが子供の絵本を読む。あまり見栄えの良い姿ではないが、内容にひかれて最後まで読んでしまった。
生まれつき手に障がいをもつ幼稚園児「さっちゃん」の物語である。
絵本 さっちゃんのまほうのて

友達から心ない言葉をかけられて傷つき、泣いて帰った「さっちゃん」。小学生になったらみんなと同じように手に指が生えてくるかと、母に問いかける。
指は生えてこないと真摯に答える母。答えを聞いた「さっちゃん」の悲しみと絶望。母と子の緊迫した対話に胸を打たれる。

絵本「さっちゃんのまほうのて」

園をしばらく休むようになってしまったが、弟が生まれたこと、父や母、友達や幼稚園の先生などに励まされて再び元気になって行く。きっかけのひとつが、産院からの帰り道に父とかわした会話である。
絵本 さっちゃんのまほうのて

さっちゃんと手をつないで歩きながら、語りかける父のことばが素晴らしい。
『それにね さちこ、こうして てをつないで あるいていると とっても ふしぎな ちからが さちこのてから やってきて おとうさんのからだ いっぱいに なるんだ。さちこのては まるで まほうのてだね』と、励ます。
幼い子供と手をつないで歩くひとときは、ちょっと幸せなかけがえのない時間である。つなぐその手がハンディをもっている子供なら、なおさら思いは深い。
さっちゃんと手をつないでいるとき、父は娘をこころから愛おしく感じる。
子供の手のぬくもりから、元気をもらい励まされるのである。
苦難の少なくないはずの娘の人生に、幸多かれと願い、その手助けをしたいと思う父の覚悟が清々しい。
絵本の制作にあたってのいきさつ等は、下記のコメントを参照。
◎野辺明子さん:著者の一人として、絵本「さっちゃんのまほうのて」を語る

2014年8月6日水曜日

岸和田・中之濱町だんじり、大修理後の熱気にあふれたお披露目曳行。

だんじり祭を間近に控えた岸和田で、中之濱町のだんじりが8月3日ひとあし早く曳行した。

大修理しただんじりの、お披露目曳行である。修理を終えただんじりが、岸城神社にお参りして清祓いを受け入魂式。その後、たくさんの観衆に見守られて熱気にあふれた曳行を披露した。
朝6時からの曳行に合わせて早起きして見物に出かけたが、早朝にもかかわらずたくさんのだんじりファンが集まっているのに驚いた。
だんじりの前後、綱の曳き手や後に続くひとびとが多いのも印象深い。だんじり祭の本場ならではの現象だろう。
本番の連合曳きと比較して、曳き手の笑顔が多く、表情が和やかである。曳き綱の前やだんじりの後ろを歩く私服のひとたちの比率が、本番より多いような感じがする。単独のお披露目曳行ならではの特長かも知れない。

中之濱町は、通称「なかんば」。だんじりの本場・岸和田の中でもだんじり魂が最も熱いエリア・浜七町のひとつである。浜七町は小学校区の全町にだんじりがあることで知られている。
中之濱町のだんじりは、先代地車を空襲で焼失させた町民が、日掛けで資金を集め昭和26年に完成させた。
『岸和田だんじり讀本』の著者&編集者・江弘毅さんの下記ブログに、浜七町の祭り気質や中之濱のだんじりが出来上がった経緯について詳しく紹介されている。味わい深い内容なので一読してほしい。
*「日本一だんじりなエディター」江弘毅の甘く危険な日々:「かしみん」のこと
ちなみに、NHK朝ドラ『カーネーション」で小篠三姉妹のひとりジュンコ役を演じた女優・川崎亜沙美さんが中之濱町出身である。
入魂式のため岸城神社へお参りする中之濱町だんじり


だんじりの前部、正面欄干に横綱土俵入りの姿が木彫り像として据えられているのも面白い。江戸時代、城内で行われた相撲大会で町内の力士が優勝したことにちなむらしい。
だんじりを先導する纏や曳き手の法被の背中には、相撲の軍配団扇の中に「天下泰平」の文字が刻まれている。大工方の法被の背中にも「天下泰平」の文字がくっきりと。なかなか粋な、カッコいいデザインである。
入魂式後、お披露目曳行する中之濱町だんじり

市役所横のこなから坂からスタート。岸城神社、カンカン場、船津橋、大手町周辺へ移動。完成から60年以上を経て、数々の思い出を刻んだだんじりが大修理を終えて曳行する姿を撮影した。
隣接する浜七町のだんじりが出迎え祝福する中を「なかんば」のだんじりが曳行するありさまは、部外者の私でも胸の熱くなる思いがする。
8時に曳行終了後、道路に捨てられたゴミや吸い殻を近隣町のひとたちが掃除している光景も印象的であった。