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2013年3月4日月曜日

NHK日曜美術館「ふたりのキャパ」。残念ながら、ちょっと期待はずれ

NHKのテレビ番組、日曜美術館「ふたりのキャパ」を見た。
伝説的な戦場カメラマン、ロバート・キャパをテーマにした番組である。
戦場で射殺された瞬間を撮影したとされる有名な写真、「崩れ落ちる兵士」をめぐる「沢木耕太郎 推理ドキュメント 運命の一枚」という傑作ドキュメンタリーをNHKスペシャルとして1ヶ月前に放映している。
アンドレ・フリードマンの写真家名として知られているロバート・キャパ。この写真家名は、当初、恋人の女性ゲルダ・タロー(本名ゲルタ・ポホリレ)とアンドレがふたりで創作した架空の写真家名であった。ゲルダもアンドレと同じ、ロバート・キャパという名前で写真を投稿していた。
つまり、キャパを名のる写真家はふたりいた、という事実は、2月に放映された「運命の一枚」の中でもすでに番組内で紹介されていた。
素晴らしい出来映えのNHKスペシャルに引き続き放映されるので、「ふたりのキャパ」について、さらに突っ込んだ解説や分析が見られるかと思って視聴したが、残念ながら期待はずれ。
「沢木耕太郎 推理ドキュメント 運命の一枚」はNHKスペシャル、「ふたりのキャパ」は日曜美術館。番組の位置づけや放映内容は自ずと異なるといえば、それまでである。
しかし、<「崩れ落ちる兵士」は実際の戦場で撮影されたものではない>。しかも、この有名な写真を撮影したのは<アンドレではなく、ゲルダである>というNHKスペシャルの推理内容に、一切ふれていないのはいかがなものか。
ゲスト解説者は数人いるが、キャパの足跡をかなり詳細に研究している作家・沢木耕太郎が含まれていないのも不可解である。
日曜美術館は、「ふたりのキャパ」の写真を芸術作品として紹介すればこと足りるというわけであろうか。
NHKのセクショナリズムや、お役所的な体質がほの見えるようで残念であった。
紹介されている写真はNHKスペシャルとだぶるものも多いが、目新しいものも含まれている。
ロバート・キャパ 演説するトロツキー
演説するトロツキー
例えば、トロツキーの写真。ロバート・キャパ=アンドレ・フリードマンのカメラマンとしてのデビュー作のようである。トロツキーは、ロシアの革命家。団塊世代にとっては、なつかしい名前のひとつ。レーニンと並ぶ革命の功績者のひとりである。ユダヤ系のロシア人。
以下の写真は、NHKスペシャルでも紹介されていたもの。
ゲルダ・タロー
ゲルダ・タロー(キャパ=アンドレ撮影)
もうひとりのロバート・キャパ=ゲルダ・タロー。兵士の後ろに位置している女性。ロバート・キャパ=アンドレ・フリードマン撮影。
ドイツ兵との間に生まれた赤ん坊を抱いて家へ帰る女性
ドイツ兵との間に生まれた赤ん坊を抱いて家へ帰る女性
第二次世界大戦で、ドイツ軍に占領されていたパリが解放された直後の写真。赤子を抱いた女性の頭は短く刈り取られているように見える。周辺には群衆が取り巻き、あざ笑っている人々も多い。
弱い立場の人間を集団でいじめて虐げる、という意味ではファシズムと共通する群衆心理の残酷さが見事にとらえられた写真である。ロバート・キャパ=アンドレ・フリードマン撮影。